【ガスタービン】

微粉炭バイオマス高混焼率発電設備の運転実績③

微粉炭バイオマス高混焼率発電設備(以下,バイオマス高混焼率ボイラ)の仕様(計画諸 元)を表1に,ボイラ組立図を図1に,それらの特徴を以下に示すでつ。

・ 本バイオマス高混焼率ボイラは,中小型容量においても高蒸気条件を適用可能でかつ多 数の納入実績があり信頼性が高い強制循環の単胴放射再熱形コンベンショナルタイプを 採用

・ 蒸気温度は,バーナノズルの角度及びスプレイ水で調整するシンプルな制御方式を採用 

・燃料粉砕燃焼システムは,石炭と木質ペレットのそれぞれを専用粉砕/燃焼するシステム として,同一ミル/バーナで改造なく石炭とバイオマス(木質ペレット)の切替運用が可能な システム (本設備でも初期は石炭専焼を確認し,その後改造なくバイオマス混焼を行っており,切 替はいつでも可能) 

微粉炭バイオマス高混焼率発電設備の運転実績②

再生可能エネルギー(以下,再エネ)のバイオマス燃料を火力発電設備で利用することは,カー ボンニュートラルの燃料利用な観点から,有効な手段の一つ。

,微粉炭バイオマス高混焼率発電設備で,再エネであるバイオマス燃料(木質ペレッ ト)を,定格負荷にて安定的にバイオマス混焼比率 30%運転できることを確認。

併せて定格 負荷でバイオマス混焼比率 34%(試運転段階)を達成するとともに,部分負荷では同 50%(試運 転段階)を達成。

これは,当社が福島県相馬市で相馬エネルギーパーク合同会社向けに受 注し,2018 年3月に竣工した出力 11 万 2000kW の発電設備での混焼試験において達成したもの。

10 万 kW 級の大規模微粉炭焚き火力発電設備では国内最高となるでつ。

福島県相馬市で相馬エネルギーパーク合同会社向けのボイラの特徴と適用技術の 概要について紹介するでつ。 

微粉炭バイオマス高混焼率発電設備の運転実績①

福島県相馬市の相馬エネルギーパーク合 同会社向けに微粉炭バイオマス高混焼率発電設備を納入し,設計時の計画通りに定格負荷に て安定的にバイオマス混焼比率(熱量比)30%の運転ができることを確認。

コンベンショナルタイプの微粉炭バイオマス高混焼率発電設備で,カーボンニュートラルな木 質ペレットの混焼により石炭専焼時に比べて環境負荷の低減を可能としたでつ。

タイでガスタービン発電設備の拡張プロジェクトを受注 ~高効率発電プラントで新興国の電力供給に貢献~

タイのNava Nakorn Electricity Generating Co., Ltd社(以下「NNEG社」)から,「LM6000(※1)PF」ガスタービン1基を含む,6万kW級ガスタービン発電設備建設工事を,設計・調達・建設・試運転業務を請負うフルターンキーにて受注。

本件は,近隣のナワナコン工業団地において増加する電力需要に応えるため,NNEG社の既存のガスタービンコンバインドサイクルプラント(設備容量12万5千kW)を拡張するプロジェクト。

本発電プラントは,発電プラントのエンジニアリングおよび据付工事に強みを持つJEL社が2016年に,設計・調達・建設・試運転業務を請負うフルターンキーで施工したもので,その実績ならびにIHI/JELのタイでの豊富なコンバインドサイクル建設実績が評価され,今回の拡張工事の受注。

本発電プラントの主機である「LM6000PF」は,高効率を誇る航空転用型ガスタービンであり,単機出力4万kW級ガスタービンの中では,世界最高レベルの性能を有しているでつ。

連続運転はもちろん,Daily Start & Stop(日間起動停止)のような運用でも不具合が少ない,部分負荷運転時でも高効率で運用可能である,といった特長を有していいるでつ。

また,航空エンジン転用型であるため軽量で取り扱い易く,メンテナンス時はリース用のガスタービンに交換することでプラントの停止期間を最小限に抑えることができる等、様々なメリットがあるでつ。

IHIは今後も,高い発電効率と優れた環境性能を誇るガスタービンを中心とした発電機器・システムの提供や,メンテナンスおよび運用支援サービスをはじめとするライフサイクルビジネスの展開を通じて,高い経済成長が見込まれる新興国においても,環境負荷の低減と電力の安定供給の両立に貢献するでつ。

「LM6000」 B747などの大型旅客機に搭載されているGE社のジェットエンジン「CF6-80C2」を発電用に転用したもので,現在実用化されている4万kW級ガスタービンの中で,世界最高レベルの性能を発揮する高効率ガスタービン。全世界で1,200台を超える販売実績を持つ。

SOFC-MGT ハイブリッドシステムの 市場導入に向けた取り組みについて ⑤

SOFC とガスタービンとを組み合わせた GTFC については,平成 27 年7月に官民協議会により 策定された“次世代火力発電に係る技術ロードマップ”において,小型 GTFC(1MW 級)の商用 化,量産化を進め,SOFC のコスト低減を図り,中小型 GTFC(10 万 kW 級)の実証事業を経て, 2025 年頃に技術確立をすることが示されているでつ。

2016 年度より,NEDO 委託事業の“ガスタービン燃料電池複合発電技術開発”にて,従来(出 力 250kW 級,運転圧力 0.2MPa 級)に比べ,中小型 GTFC(出力 10 万 kW 級,運転圧力 1.0~ 1.5MPa 級)により近い容量・圧力条件の小型 GTFC(出力 1MW 級,運転圧力 0.6MPa 級)の市場 投入に向けた検証を MHPS 長崎工場にて開始。1MW 級実機は SOFC モジュール容器 を2基設置する計画であるでつが,本研究開発では 1MW 級に必要な半分の SOFC モジュール容器1 基のみで試験を行ってて,これをハーフモジュールと称しているでつ(図5)。

2018 年 9 月現在,ハーフモジュール実証機の据付けが完了し,発電前の試運転調整中(図6)。

今後,ハーフモジュールとしての実証運転を行い,1MW 級実機とした場合の商品性を見 据えたシステム仕様を検討していくでつ。

CO2排出量削減と電力の安定供給を両立させていくための実効性のある技術とし て,SOFC 複合発電システムを切り札と位置付けているでつ。

250kW 級機においては,2015 年度より,国内4か所に実証機を設置してて,市場投入に向け た実証を実施し,安定して稼働できることを確認しているでつ。

その結果を受け,2017 年度より,市場 投入を開始。

現在,商用機第1号を三菱地所(株)丸の内ビルディングに納めてて,今 年度中に運転を開始する予定。

更に,2016 年度より 250kW 級機から大容量化した 1MW 級機の検証を開始しており,現在 MHPS 長崎工場にて実証試験を実施中。

この実証試験で着実に技術を確立するとともに 早期実用化を進め,“安全で持続可能なエネルギー環境社会”の構築に大きく貢献していきたい と考えているでつ。。

SOFC-MGT ハイブリッドシステムの 市場導入に向けた取り組みについて ④

2015 年度より NEDO の助成事業“固体酸化物形燃料電池を用いた業務用システムの技術実 証”にて,市場投入に向けた実負荷環境での実証試験を実施。 

実証サイトは,トヨタ自動車(株)・元町工場,日本特殊陶業(株)・小牧工場,東京ガス(株)・千住 テクノステーション,大成建設(株)・技術センターの4地点(図4)。 

なお,本助成事業は課題設定型事業で,各サイトにてそれぞれ主となる課題・検証項目を設定 し,実証試験を行っているでつ。

各サイトでの実証内容は以下の通り。

各サイトで電力需要の変 化や起動停止による性能・耐久性への影響を評価。

・ トヨタ自動車向け実証機:起動停止試験(1回/月)継続中。

・ 日本特殊陶業向け実証機:連続耐久試験継続中。

・ 東京ガス向け実証機:起動停止試験(1回/週)を 31 回実施。

・ 大成建設向け実証機:自立運転機能検証試験済。

その結果を受け,2017 年より 250kW 級機の市場投入を開始

市場投入するモデルは 4サイトでの実証結果を反映したモデルとなるでつ。

商用機第1号を三菱地所(株)丸の内ビルディング に納めており,今年度中に運転を開始する予定。

2018 年8月現在,本体の据付工事まで 完了。

電源開発(株)が実施している NEDO 研究開発“燃料電池モジュールの石炭ガス適用性研究” 用に,2017 年度に電源開発(株)若松研究所に 250kW 級機を納めているでつ。

SOFC-MGT ハイブリッドシステムの 市場導入に向けた取り組みについて ③

円筒形SOFCの発電要素であるセルスタックの構造を図1に示すでつ。

セラミックス製の構造部材で ある基体管の外表面に,発電反応を行う素子(燃料極/電解質/空気極の積層体)を形成し,電子 導電性セラミックスのインターコネクタで素子間を直列に接続しているでつ。

このセルスタックを数百本 束ねカートリッジを構成し,カートリッジを圧力容器の中に格納したものを SOFC モジュールと呼ん でいるでつ(図2)。 

本システムは,SOFC,マイクロガスタービン(MGT)や再循環ブロワ等から構成。

SOFC と MGT の2段階にて発電し,更に排ガス系統に排熱回収装置を設置することで,蒸気,或いは温 水を同時に供給するコージェネレーションシステムとすることが可能(図3)。 

SOFC-MGT ハイブリッドシステムの 市場導入に向けた取り組みについて ②

昨今,日本のエネルギー情勢は大きな転換期を迎え,高効率発電,電源セキュリティに対する 意識が高まったでつなぁ~

地球温暖化抑制のための CO2 排出量削減と,現代社会に不可欠 な電力の安定供給を両立させていくためには,火力発電等の集中電源により構築された高度な 電力網に,高効率な分散電源や再生可能エネルギー等の新エネルギーを,質・量ともにベストミ ックスで組み合わせていくことが重要。

また,地球規模でのエネルギー資源の保全のため にも,高効率発電システムを開発し,早期普及させることにより,化石燃料を徹底して有効活用す ることが必須かつ急務の課題となっているでつ。

日本における最終エネルギー消費は,産業部門が全 体の 40%を超え,更に民生用の業務分野を加えると 60%強を占めていることになり,業務産業分 野の燃料電池の普及は,日本のエネルギー事情を改善させる大きな手段の一つと考えられるでつ。

250kW 級の中容量分散型電源から,経済産業省主催の次世代火力発電の早期 実現に向けた協議会で示された大規模集中電源用のガスタービン燃料電池複合発電(GTFC) や石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)に及ぶまで,非常に広い出力レンジで高効率が期待で きる SOFC 複合発電システムに着目し開発を進めているでつ。

SOFC-MGT ハイブリッドシステムの 市場導入に向けた取り組みについて ①

将来の低炭素社会に向けて,高効率な発電が可能な固体酸化物形燃料電池(SOFC)をガス タービンと組み合わせた SOFC-MGT ハイブリッドシステムの開発を進めているでつ。

250kW 級機にお いては,2015 年度より,国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助 成事業にて,国内4か所に実証機を設置し,耐久性の検証,実負荷環境での起動停止試験や負荷変化試験などの市場投入に向けた実証を実施し,安定して稼働できることを確認。

その結 果を受け,2017 年より 250kW 級機の市場投入を開始。

更に,2016 年度より NEDO 委託 事業にて,従来から大容量化した 1MW 級機の検証を開始しているでつ。

現在、長崎工場にて実証試験を実施中でつ。

CO2 フリー社会の実現に向けた水素燃焼ガスタービン ⑩

本報の第3章に記載した内容は,新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の“水素社 会構築技術開発事業”の成果の一部。

同助成事業において水素・天然ガス混晶方式のガ スタービンの燃焼器の開発に取り組み,30vol%の混焼条件においてガスタービンの運転が可能 な目途を得たでつ。

引き続き,水素専焼方式の開発を進めているでつ

また,本報の第4章に記載した内容は,内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)“エ ネルギーキャリア”(管理法人:JST)の成果の一部。

同研究により,水素のエネルギーキャリ アの一つとして有望なアンモニアを利用したアンモニア分解 GTCC システムの開発を開始。

2050 年の再エネによる世界的な CO2 フリーの水素社会に向けて,また,その移行期における CCS を組み合わせた化石燃料由来の水素利用において,水素燃焼ガスタービンの果た す役割は大きいでつ

今後も,大量かつ安定的な水素需要を生む水素発電で,国際的な水素サプラ イチェーンの構築を牽引し,CO2 フリーの水素社会に貢献する所存でつ。

CO2 フリー社会の実現に向けた水素燃焼ガスタービン ⑨

海外では,例えば,化石燃料由来の水素製造時に発生する CO2を CCS によって処理するシス テムなど,水素供給の段階から輸送,貯蔵そして利用までを視野に入れた包括的な水素利用プ ランが示されているでつ。

特にヨーロッパでは既存の天然ガスパイプラインが発達しているという利点も あり,国境を越えた総合インフラとして,水素活用のプロジェクトが進められているでつ。

その中で,オランダのエネルギー企業であるヌオン社(N.V. Nuon)が運営する出力 132 万 kW 級の天然ガス焚きガスタービン複合発電(GTCC)を水素焚きに転換するプロジェクトに 参画。

同プロジェクトは,図8に示すオランダ最北部のフローニンゲン(Groningen)州に位 置するヌオン・マグナム(Nuon Magnum)発電所に,当社が納入した M701F 形ガスタービンを中核 とする発電設備3系列のうち1系列を 2023 年までに 100%水素専焼の発電設備へと切り替えるも のであり,これまでに初期フィージビリティスタディー(FS:実現可能性調査)を実施。

既存技 術である拡散燃焼器の適用を検討し,水素燃焼への転換が可能であることを確認。

天然ガス 焚きでは 44 万 kW の GTCC 発電設備1系列につき年間約 130 万トンの CO2 を排出するでつが,水素 焚きへの転換によりそのほとんどを削減することができるでつ。

引き続きガスタービン技術領域 での FS を担当し,具体的な改造範囲の計画等,同プロジェクトの実現に向けて協力を続けるでつ。 

CO2 フリー社会の実現に向けた水素燃焼ガスタービン ⑧

アンモニア分解GTCCがあるでつなぁ~

発電用大型ガスタービンで必要となる大量の水素を安定に利用可能とするためには,水素の 製造・運搬・貯蔵等を担うサプライチェーンが構築されることが前提になるでつ。

水素の運搬・貯蔵に 関しては,水素を液化して運搬・貯蔵する方法だけでなく,アンモニアや有機ハイドライド等のエ ネルギーキャリアを活用することが水素基本戦略(2)で提示されているでつ。

2017年度から内閣府SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)に参画して,アンモニ アをエネルギーキャリアとしたガスタービンシステムの検討を実施。

アンモニアは,液化水 素の 1.5 倍の体積水素密度を有しており,液化石油ガスなどの既存の運搬・貯蔵インフラを転用 可能である等の特徴があるでつ。

同プログラムでは,アンモニアを燃料としてマイクロガスタービン(3)及 び小型ガスタービンで直接燃焼させる研究がなされているでつが,大型ガスタービンに適用するには 表1に示す課題があるでつ。

そこで当社では,図7に示すように,アンモニアを熱分解して水素に変換 し,ガスタービンで燃焼させるシステムを検討。

分解反応を起こすためには,アンモニア を触媒接触下で高温に加熱しつつ,原料アンモニア1モルあたり 46 kJ/mol の反応熱の投入が必 要となるでつが,この反応熱は生成する水素の発熱量増加(化学再生)になるため,原理的な効率低 下はないでつ。

原料アンモニアを分解させる際に残留する微量の残留アンモニアが燃焼器での NOx 生成の原因となるため,残留アンモニアの量を低減できる分解装置の機器構成,分解触媒の選 定等を同プログラムで進めているでつ。 

本システムには表2に示すように,高効率かつ大容量な GTCC システムに対して比較的少ない 改造で適用できる特徴があり,CO2 フリーアンモニアを用いることにより,大量の CO2 削減に寄与 することができるでつ。

本システムを適用することにより,現在開発中のガスタービン用水素燃焼器を活用できるだけでなく,開発したアンモニア分解装置は汎用的な水素サプライチェーンの構成機 器として活用することが可能。

CO2 フリー社会の実現に向けた水素燃焼ガスタービン ⑦

 拡散燃焼器 拡散燃焼器は,燃料と燃焼用空気を別々に燃焼器内に噴射するでつ。

予混合燃焼方式に比べ て火炎温度が高い領域ができやすく NOx 発生量が増えるため,蒸気・水噴射による NOx低減 対策が必要になるでつ

一方で,比較的,安定燃焼範囲が広く,燃料性状変動への許容範囲も大きいでつ

拡散燃焼器を図6に示すでつ

これまで,小型から中型のガスタービン発電設備において オフガス(製油プラント等で発生する排ガス)の燃料利用により幅広い水素含有割合(~ 90vol%)の燃料に関する実績を有するとともに,水素利用国際クリーンエネルギーシステム技 術研究開発(World Energy NET WORK(WE-NET))プロジェクトへの参画の際に,水素専焼 による燃焼試験にも成功。

CO2 フリー社会の実現に向けた水素燃焼ガスタービン ⑥

水素専焼用マルチクラスタ燃焼器は、図5に示すでつ。

水素がさらに高濃度になれば,逆火のリスクは高まるでつ

水素混焼 DLN 燃焼器のように旋回流 を使って燃料と空気を混合させるには比較的大きな空間が必要であり,逆火のリスクが高くなる ため,狭い空間で短時間に混合させる必要があるでつ

そこで,火炎を分散し,より細かく,小さく燃 料を吹き出す混合方式を考えたでつ

従来の DLN 燃焼器の燃料供給ノズル(8本)に対して,より 数多くのノズルを有する図5のマルチクラスタ燃焼器をベースとして,1本のノズルの孔を小さく し,空気を送るとともに,そこに水素を吹いて混合させる方式を採用。

旋回流を利用せず, より小さなスケールで空気と水素を混合でき,高い逆火耐性と低 NOx 燃焼が両立する可能性 を有しており,現在,燃料ノズル構造の基礎検討を進めているでつ

ガスタービンの要素技術をオールジャパンで開発

そもそもガスタービンとは、天然ガスなどの燃料を燃やして動力を得るエンジンのこと。

主に大量の空気を吸い込み圧縮する「圧縮機」、高圧の空気と燃料を燃焼させる「燃焼器」、そして、高温高圧になった燃焼ガスを使って回転する「タービン」の3つで構成されているでつ。

タービンの回転力を使って発電機の軸を回転させ、その回転エネルギーを電力に変換することで発電しています。また、タービンの回転力の一部は圧縮機の回転にも使われるでつ。

タービンの回転力を電力として取り出す代わりに、タービンから出る排気エネルギーによって排気自身を加速させ、ジェットとして噴出することで推進力を得ているのが、航空機のジェットエンジンでつ。

ガスタービンの性能は、「比出力」と「熱効率」の2つで決まります。比出力とは、ガスタービンに流入する空気の単位流量当たりに取り出せる動力のことで、比出力が大きければ大きいほど小型で大出力になるでつ。

一方、熱効率とは、燃料が持つ熱エネルギーから取り出せる動力の割合のこと。

具体的には、取り出した動力を燃料が持つ熱エネルギーで割った値になるでつ。

同じ出力の機械を動かす場合、熱効率の高いものほど少ない燃料で動かすことができるでつ。

一般に、比出力を大きくするには、タービンの入口温度と取り込む大気温度の比を大きくするでつ。

また、熱効率を高めるには、圧縮機での圧力比を高くするでつ。

圧力比とは、大気の圧力と圧縮機で圧縮した空気との圧力の比のこと。

それゆえ、ガスタービンの高効率化を図るには、高温化と高圧力比化を行う必要があるでつ。

固体酸化物形燃料電池(SOFC)とマイクロガスタービン(MGT)のハイブリッドシステムシリーズ名称を「MEGAMIE(メガミー)」に決定

大型の燃料電池であることを想起させる「メガ」と大地や美を司る「女神」を掛け合わせ、“力強さとスマートさ、温かさ”を表現したでつ。

SOFCとMGTを組み合わせたハイブリッドシステムの知名度向上、さらなる市場浸透をはかるでつ。

業務・産業用として製品化した固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)とマイクロガスタービン(MGT)の組み合わせによる加圧型複合発電システム(ハイブリッドシステム)について、シリーズの名称を「MEGAMIE(メガミー)」に決定。

昨今の世界的な環境意識の高まりを受け、新たにシリーズ名称を設けることで知名度を向上させ、同システムのさらなる市場浸透をはかっていくでつ。

このネーミングは、安定した稼働性能を発揮する大出力の燃料電池であることを想起させる「メガ(MEGA)」と、大地や美を司る「女神(MEGAMI)」を掛け合わせ、“力強さとスマートさ、温かさ”を表現したもの。

また、最後のEは、Environment(環境保全)、Energy security(安定供給)、Economy(経済性)の3つの”E”を意味し、MHPSが顧客に提供する価値や社会に対して果たすべき役割を表しているでつ。

2016年度まで国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業により250kW級ハイブリッドシステムの実証に取り組み、国内4ヵ所に実証機を設置して安定稼働を確認。

業務・産業用の実用モデルを開発し、2017年夏に販売を開始。

本年初頭には、初号機を三菱地所株式会社が東京・丸の内で所有・運営する丸の内ビルディング(丸ビル)の分散型電源として受注し、2019年2月の本格稼働開始に向けて工事を進めているでつ。

このハイブリッドシステムは、都市ガスを燃料とし、約900℃の高温で作動するセラミックス製SOFCとMGTの両方で発電するものでつ。

燃料を燃焼させることなく、SOFC内部で都市ガスを改質して水素や一酸化炭素を取り出し、空気中の酸素と化学反応させることで発電。

さらに、後行程でMGTを使って発電することで燃料を有効活用。

また、コージェネレーション(熱電併給)の場合には、残りの排熱を蒸気または温水として回収するため、総合効率の大幅な向上を実現するとともに、従来の発電システムに比べて顧客の工場・ビルからのCO2排出量を半分近く削減することができ、低炭素社会の実現に寄与するでつ。

SOFCとMGTを組み合わせたハイブリッドシステムのシリーズ名称決定を弾みに、同システムの普及促進に向けた提案営業を活発化するとともに、性能や利便性のさらなる向上に取り組み、持続可能性の高い低炭素社会にふさわしいエネルギー創出に貢献するでつ。

台湾電力の天然ガス焚きGTCC発電所向けに低NOx化・性能アップ工事を受注南部・大潭Stage1両設備のM501F形ガスタービン7基を対象に

台湾公営の台湾電力(台湾電力股份有限公司、Taiwan Power Company:TPC)の南部火力発電所(高雄市)および大潭(ダータン)火力発電所(桃園市)に対する設備改修工事を、フルターンキー方式で受注。

納入したM501F形ガスタービン7基について、低NOx(窒素酸化物)化と性能アップをはかり、予備品の供給も手掛けるもので、デジタルソリューションサービスである「MHPS-TOMONI®」も導入して火力発電設備の運転最適化を支援。

工事の完了は、2019年8月を予定

両発電所とも、天然ガス焚きのガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電設備が改修対象。

南部発電所では、2003年に納入した1基分で出力は約25万kW。

大潭発電所では、2005年に納入したステージ1(Stage1)設備で、2系列6基分の出力は約140万kW。

いずれも、運転開始以来台湾における電力供給で大きく寄与してきた発電設備で、建設時と同じく三菱商事株式会社の契約名義に基づき同社と共同で取り組みでつ。

今回の工事は、低NOx化については新型の燃焼器(FMk8)に交換することを中心に実施。

これにより、NOxは約60%低減します。性能アップは増出力・増効率が狙いで、ガスタービン翼のアップグレードが柱となるでつ。

併せて、補機の設計・製作・調達・据え付け・試運転なども担当。

台湾では、旺盛な電力需要に対して供給が追いつかず、需給逼迫状況が続いています。需要ピークに対して、供給力にどの程度の余裕があるかを示す供給予備率を増やす必要があり、ガス火力発電には依然として大きな期待が寄せられているでつ。

その一方で、環境負荷の低減策も求められており、発電設備の低NOx化・高効率化対応ニーズも高まってきたでつ。
こうした事情を受け今回の商談では、激しい競争にさらされたものの、当社の低NOx燃焼器技術や性能アップ提案、既存GTCC設備の納入実績を踏まえた信頼性などが高く評価され、受注に至ったでつ。

今回の受注を弾みとして、IPP(独立電力事業者)を含めた台湾電力業界全体のニーズである低NOx化・性能アップに向けた提案に努めるとともに、受注拡大の試金石ともなる今工事の完遂に全力を挙げて取り組み、台湾における電力の安定供給と環境負荷の低減するでつ。

CO2 フリー社会の実現に向けた水素燃焼ガスタービン ⑤

(1) 水素混焼用 Dry Low NOx(DLN)マルチノズル燃焼器 水素混焼による逆火発生リスクの上昇を防ぐことを目的として,従来の DLN 燃焼器をベース として新たに開発した水素混焼用燃焼器の概要を図4に示すでつ。

燃焼器内部に圧縮器から供給 された空気は,旋回翼(スワラー)を通過することで,旋回流となるでつ

燃料は,スワラーの翼表面 に設けられた小さな孔より供給され,旋回流の効果で急速に周囲の空気と混合されるでつ

一方, 旋回流の中心部(以下渦芯)には,流速の低い領域が存在することが明らかとなっているでつ

旋回流中での逆火現象は,この渦芯に存在する流速の遅い部分を火炎が遡上することで発生す ると考えられるでつ

新型燃焼器では渦芯の流速を上昇させるため,ノズルの先端から空気を噴射 することを特徴。

噴射された空気は,渦芯の低流速領域を補い,逆火の発生を防止 。

フルスケールの新型燃焼器1缶を使用した実機圧力下での燃焼試験を実施した結果,水素 30vol%を混合した条件においても NOx は運用可能な範囲内にあり,逆火の発生や燃焼振動 の著しい上昇を伴わずに運用できる目途を得たでつ。 

CO2 フリー社会の実現に向けた水素燃焼ガスタービン ④

発電用大型ガスタービンは,これまで高効率化を図るために,タービン入口温度(燃焼温度)を 上昇させながら開発が進められたでつ。

燃焼温度の上昇により指数関数的に増加する NOx 排出量に 対応するため,当社の発電用大型ガスタービンに搭載される Dry Low NOx(DLN)燃焼器は予混 合燃焼方式を採用。

予混合燃焼方式では燃料と空気をあらかじめ混合して燃焼器内に投入。

従来の拡散燃焼 方式に比べて火炎温度を均一にできるため,NOx低減用の蒸気や水噴射が不要で,サイクル効 率の低下も生じないでつ。

一方で,安定燃焼範囲が狭く,燃焼振動や逆火(フラッシュバック)の発生リ スクがあり,未燃分も排出しやすい傾向があるでつ。

天然ガスと水素を混焼,あるいは水素専焼させた場合,燃料成分の変化により火炎の性質が 変化するでつ。

水素は天然ガスと比較して燃焼速度が高いため,天然ガスのみを燃焼させた場合と比 較して,逆火現象の発生リスクが高くなるでつ。

したがって,水素ガスタービン用の燃焼器は逆火発生 の防止に向けた改良を中心に,低 NOx 化や安定燃焼化を図り,商品性の向上(低コスト,長寿命 等)と合わせて開発・実用化する必要があるでつ。

以下に,当社の水素混焼・専焼に対応する水素ガスタービン用燃焼器の開発状況について述 べるでつ。

図3にそれらの概要を示すでつ。 

CO2 フリー社会の実現に向けた水素燃焼ガスタービン ③

国連気候変動枠組条約第 21 回締約国会議(COP21)で採択された“パリ協定”の温室効果ガ ス削減目標達成に向けた取組みが世界各国で始まり,再生可能エネルギー(以下,再エネ)の導 入が加速。

図1(1)に IEA(国際エネルギー機関)の報告書における,現在から 2060 年まで の世界の累計 CO2削減量の見通しを示すでつ。

再エネの利用による CO2削減量を全体の約3割と見 込んでいるでつ。

 風力,太陽光,水力などの再エネによる発電は,気候・気象条件,昼夜などの時間帯によって 発電量が変動することや,世界の各地域で発電量が偏在していることから,効率よく電力を利用 するために発送電システムの柔軟性と安定性が求められるでつ。

一方で,再エネを水素に変換し貯 蔵・輸送して利用することが,エネルギーの変動に対して有効であると考えられており,再エネの 大規模発電地域から離れた日本においても水素のサプライチェーンの構築とそれに関わる技術 開発が重要かつ,急務。

また,先の報告書(1)では,天然ガスをはじめとする化石燃料の改質により製造される水素の利 用が 2030 年頃から増え始め,2050 年までの累積 CO2削減量の 14%を担うことが見込まれてい るでつ。

製造時に大量に発生する CO2 を回収して地中に貯留する Carbon dioxide Capture and Storage (CCS)と合わせて,再エネ主体に移行する過渡期においては,化石燃料の改質と CCS との組み合わせから製造される水素の利用技術も必要。

図2に示すように,これら再エネ由来/化石燃料由来の水素を最大活用し,強みの発 電製品を水素バリューチェーンに適用することに取組んでいるでつ。

その中で発電用大型ガスタービ ンは,高効率で発電できるだけでなく,低純度な水素(製造コスト・技術のハードルが比較的低 い)が利用可能であり,大量かつ安定的な水素需要を生むでつ。

水素社会に向けて,インフラの拡 充,多様な利用方法を含んだ水素利用ビジョンが示される中で当社の発電用大型ガスタービン の果たす役割は,今後より一層大きくなるものと考えられるでつ。

CO2 フリー社会の実現に向けた水素燃焼ガスタービン ②

1980 年代からの電力需要の急激な増加に対応するために,燃料に天然ガス/LNG(Liquefied Natural Gas:液化天然ガス)を用いた GTCC が注目されたでつ。

これまで大容量・高効率化が進められ てきたでつ

GTCCは化石燃料を使用する火力発電方式の中で最もクリーン,かつ高効率な設備。

日本の一次エネルギーの主な変換先は電力で,全体の実に 43%を占めるでつ

その中で,火力 発電による電力供給割合は 85%にも及ぶ(2015 年現在)。

このため GTCC は,今後も旺盛なエネ ルギー需要に対応する一方で,資源の有効利用や低炭素社会の実現のために,より一層の CO2 削減が求められているでつ。日本では低炭素社会に向けた水素基本戦略として,2030 年頃に水素発電の商用化を目指す ことを掲げているでつ

この先 10 年余りの短期間での商用化(技術開発から電力事業者への設備導 入)をより現実的に進めるため,当社では,既存のガスタービン設備を使い水素発電ができるシス テムを考案。

このシステムは,ガスタービン用燃焼器以外の発電設備の大規模なリニューア ルを必要としないでつ

そのため,水素転換へのコストのハードルを下げ,水素社会へのスムーズなシ フトを促すことが期待されるでつ

現在,国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構 (NEDO)にご支援をいただき,発電用大型ガスタービンにおいて,燃料の LNG に水素を 30%混 ぜて使用することができる燃焼器の開発に成功。

水素の燃焼により懸念される NOx の排出 も,従来レベルに抑制できる。70 万 kW 相当(タービン入口の温度 1600℃の GTCC)の出力に対応できる技術で,従来の GTCC と比較し,発電時の CO2排出を約 10%削減できるでつ

これは,水素 社会構築のための大きな一歩。

本報では,水素燃焼ガスタービンを軸とした,水素 社会実現に向けた取組みを紹介するでつ。

CO2 フリー社会の実現に向けた水素燃焼ガスタービン ①

ガスタービン複合発電(以下,GTCC)はそのクリーンかつ高効率な特性から,現在,発電に占 める割合が大きくなっているでつ。

そのため CO2 フリー社会の実現には,発電用大型ガスタービンに おける水素の大規模利用が重要。

天然ガスと水素の混焼方式と 水素専焼方式の大型ガスタービンの開発を進めてるでつ。

現在,水素 30vol%の混焼試験に成功。

さらに,水素のエネルギーキャリアの一つとして有望なアンモニアの GTCC での利用につ いても研究を開始。

また,ヨーロッパにおける GTCC プラントの水素焚き転換プロジェクトにも 参画。

これらの活動を通して,水素の供 給・輸送・貯蔵に関する国際的な水素サプライチェーン構築を牽引し,水素社会の実現に貢献するでつ、

カタールのラスラファンC独立発電・造水事業向けで2期LTSAを締結M701F形ガスタービン8基が対象

 

カタールのラスラファン工業地区(Ras Laffan Industrial City)のラスラファンC独立発電・造水事業(IWPP)で運転中のガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電設備のうち、当社製M701F形ガスタービン8基の2期長期メンテナンス契約(LTSA)を締結。

契約期間は2019年から15年間。

この発電設備は、2008年に受注したもので、プラント全体で273万kW級の発電能力を持ち、6,300万ガロン(約24万キロリットル、1米ガロン=約3.78リットル)/日の造水能力を持つ海水淡水化プラント設備の動力源としても使用。

2010年以降の運転開始後は、LTSAに基づきガスタービンの保守などを担当してきましたが、契約更新時期を控えて2期LTSAを締結したもの。

本契約は、1期LTSA契約履行を通じて当社のメンテナンス能力が高く評価され、顧客であるRGPC社(Ras Girtas Power Company)との間で締結したもので、引き続き定期点検向けに部品供給・補修、運転の遠隔監視サービスなどを提供。

カタールは、豊富な天然ガス資源を背景とする社会・産業基盤整備に向けた動きが活発で、ラスラファンの発電・海水淡水化事業は、中東地域における大規模インフラ整備プロジェクトの代表格。

水素エネルギーチェーンの「つくる・はこぶ・ためる・つかう」という4つのフェーズの構想⑤

水素を巡る技術開発は、基本戦略の決定を先取りする形で進んでいるでつ。

16年2月には、水素製造、輸送・貯蔵、利用からなるサプライチェーンを構築し、30年頃の商用化を目指す技術研究組合「CO2フリー水素サプライチェーン推進機構(HySTRA=ハイストラ)」が発足。

参加するのは川崎重工、岩谷産業、シェルジャパン、J-POWERの4社。HySTRAは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の水素サプライチェーン構築実証事業の実施主体。

世界の水素関連企業がサンフランシスコに集結。 テクノロジー業界のリーダーたちも交え、エネルギー転換へ向けて推進

「Hydrogen Council 第 3 回 CEO 会合は約 18 ヶ月前に本イニシアチブが設立されて 以降の偉大な活動の軌跡です。50 社以上の産業界のリーダーはエネルギー転換における水素の役割を 示すため本日ここに集結しました。水素の利用拡大と真のエネルギー転換を実現するために今アクションを 起こさなければなりません。エネルギー転換は環境・経済・社会にとって持続可能なものでなければなりませ んが、水素はその全ての条件を満たすことが出来ます。 カリフォルニアの ICT イノベーションの中心地において水素の役割を示すため、Hydrogen Council は”Hydrogen Meets Digital”と題する新たな資料を提示しました。これは水素が貢献可能な 4 つの 典型的なアプリケーションについて調査したものです。McKinsey の解析補助を受け、如何にして水素と デジタル技術が協調してエネルギー転換を推進するかを示しています。 このレポートは、ICTイノベーターが直面する緊急の課題に対し、水素のもつメリットが如何に貢献できるか を示しています。近い将来、エネルギー効率向上により全体のエネルギー消費は低減されますが、データ センターをはじめとしたデジタル関連のエネルギー消費は2050年までに倍増することが予想されます。 これは、再生可能エネルギーを貯蔵し、輸送し、必要な時に供給するエネルギーキャリアが必要になること を暗示しており、そのためには水素とバッテリーが必要不可欠な存在です。水素はバッテリーの10倍の エネルギー密度を持ち、水素の充填はバッテリー充電の20倍の速度で行えるため、エネルギーキャリアとして より優れています。柔軟な製造が可能なため、電力系統のバランスを整えることができます。また、燃料 電池はバッテリーに比べ長時間の電力供給が可能なため、充電による待ち時間を減らし、稼働率を向上 させ、充填インフラの数も減らすことが可能です。 2030年までに水素は150万台の自動運転タクシー、70万台の自動運転シャトルバス、8千台の垂直 離着陸タクシー(VTOL)、360万台の貨物トラックにエネルギー供給を行い、データセンターに1TWhの 非常用電力を供給する可能性があります。結果として、デジタル化により、昨年カウンシルが発表 した ”Hydrogen Scaling Up“ レポートに記載の他、2030年にはさらに年間700万トンの水素需要と、 640万台の燃料電池利用分の市場を広げることが可能です。 Air Liquide社CEO兼会長であり、カウンシルの共同議長のブノワ・ポティエ氏は次のように語りました。 「水素はエネルギー転換において主要な役割を果たすたけでなく、デジタル化革命におけるエネルギー供給 の鍵となります。我々はICT業界のリーダーを招き、デジタル分野において水素が提示できるソリューションに ついて議論しました。我々は共に持続可能な将来を担う具体的なソリューションを提供可能です。」 川崎重工は、当カウンシルの一員として水素の大量利用社会の実現に必要な技術開発を行い、水素 エネルギーの普及を推進してきました。技術開発は、水素製造から輸送、貯蔵、利用までの水素エネルギ ーサプ ライチェーン全般にわたり、その製品化に取り組んでいます。 2018年4月には、市街地における水素燃料100%のガスタービン発電による熱電供給を世界で初めて 達成しました1。また、2020年には、日豪間の船舶による液化水素サプライチェーン実証を開始します2。 2018年には、豪州政府の資金支援が決定し、豪州側の実証も正式にスタートし、日豪両国でプロジェ クトは建造段階へステージを進めています。 川崎重工は、これからも水素を安全に、安定的に、そして経済的に利活用できる社会の実現に向け、 製品開発を推進いたします。

Hydrogen Councilは、2017 年初め、スイス・ダボスで開催された World Economic Forum の 場で発足しました。グローバルなエネルギー移行に関して、水素技術が果たす役割を推進していく、世界初 のグローバルなCEOによるイニシアチブです。現在のメンバーは、33の様々な国のリーディングカンパニー (3M, Airbus, Air Liquide, Air Products, Alstom, Anglo American, Audi, BMW GROUP, China Energy, Cummins, Daimler, EDF, ENGIE, Equinor, Faurecia, General Motors, Great Wall Motor, 本田技研工業, Hyundai Motor, 岩谷産業, Johnson Matthey, JXTGエネ ルギー, 川崎重工業, KOGAS, Plastic Omnium, Royal Dutch Shell, Sinopec, The Bosch Group, The Linde Group, thyssenkrupp, Total, トヨタ自動車, Weichaiの各社)と、20 の バリューチェーン上の企業(AFC Energy, Ballard Power Systems, Faber Industries, First Element Fuel (True Zero), W. L. Gore, Hexagon Composites, Hydrogenics, 丸紅, McPhy, 三菱商事, 三菱重工業, 三井物産, Nel Hydrogen, Plug Power, Re-Fire Technology, Royal Vopak, Southern California Gas, 三井住友銀行, 住友商事, 豊田通商の各社)です。 Hydrogen Councilメンバー企業全体では、収入全体で1.8兆ユーロ、世界全体で 380万人以上の 社員を有しています。 

Hydrogen Councilはこれまで2つの調査報告を出しています。”How hydrogen empowers the energy transition“(2017年1月) では、エネルギー転換における水素の役割を、導入ポテンシャル・ 現状・導入への課題について記載しています。”Hydrogen, scaling up” (2018年11月) では、世界 で初めて水素の長期導入ポテンシャルと導入ロードマップを記載したものです。 詳細はウェブサイトをご覧ください。www.hydrogencouncil.com

水素エネルギーチェーンの「つくる・はこぶ・ためる・つかう」という4つのフェーズの構想④

日本国内では17年12月、政府によって「水素基本戦略」が決定されたでつ。

水素エネルギーは再生可能エネルギーと並ぶ将来エネルギーと位置づけられ、取り組み目標も提示。
ここで掲げられたのは、①燃料電池自動車・バスと水素ステーションの普及促進②年間1,000万t程度(発電容量で約3,000万kW)の水素燃料の調達を目指す、③安価な原料である褐炭や海外の再生可能エネルギーの積極利用と、そのための国際的な水素サプライチェーンの開発、など。

水素エネルギーチェーンの「つくる・はこぶ・ためる・つかう」という4つのフェーズの構想③

さらにアメリカやEUでは独自の戦略づくりが進み、世界最大級のCO2排出国である中国でも、水素エネルギーの活用を含めた自動車開発を国家戦略にするなど、世界的規模での水素エネルギー推進体制が整ってきているでつ。

電力・水素複合エネルギー貯蔵システム」の実証運転を開始

水素貯蔵システムと電力貯蔵装置を組み合わせて、通常時の再生可能エネルギーの有効利用と非常用電源としての機能を併せ持つ
「電力・水素複合エネルギー貯蔵システム」を新たに考案・開発し、仙台市茂庭浄水場にて実証運転を開始したでつ。
再生可能エネルギーから得た電力を用いて水素を製造、利用するPower to Gasの一形態である本システムの実用化により、災害時に停電が発生しても安定して継続運転が可能な次世代の浄水場の実現を目指しますでつ。
東日本大震災時は、非常用電源として、多くの自家用発電機が使用されましたでつが、メンテナンス不足による動作不良や燃料不足など、さまざまなトラブルが発生。
仙台市でも、1978年の宮城県沖地震の経験から、主要な浄水場には24時間の停電に対応可能な非常用自家用発電装置を設置していたでつが、東日本大震災時は、停電時間が24時間をはるかに上回り、県内の石油備蓄基地の被害や物流の遮断により燃料確保が困難を極め、浄水場の機能維持に大変苦慮する結果となったでつ。
また、福島第一原子力発電所の事故を受け、地球温暖化対策とエネルギー政策の両面から、再生可能エネルギーの利用拡大が進められているでつが、2012年にスタートしたFIT法により、再生可能エネルギーの導入量、特に太陽光発電については予想以上のペースで増加してて、系統への接続が保留されたり、
新規接続契約が停止されるなどの課題が顕在化しつつあるでつ。
このような背景の下、NEDOは、2014年度から「水素社会構築技術開発事業」の1テーマとして、仙台市水道局協力のもと同市茂庭浄水場をモデルに水素を利用して安定的なエネルギーを供給するための技術開発を実施。
本事業では、経済・技術成立性を見通す全体コンセプトを検討し、これに基づく技術の検証を行っているでつ。
国立大学法人東北大学と株式会社前川製作所は、大容量化や小型化に優れた水電解装置・燃料電池・水素貯蔵システムと、耐久性、即応性、高効率性に優れた電気二重層キャパシタ等の電力貯蔵装置を組み合わせた新しいシステムを考案・開発。
新規開発した「電力・水素複合エネルギー貯蔵システム」は、平常時の太陽光発電の有効利用だけでなく、非常時のエネルギーの長時間安定供給も可能にするもの。
そして、今般、仙台市茂庭浄水場の20kW太陽光パネルを用いた実証システム(図1)が完成し、実証運転を開始。
図1に示すように、本実証システムにおいては、直流母線電圧のコンセプトを水素の貯蔵管理にも広げ、電気系の直流母線(DC BUS)に対応し、
ガス系において水素母線(H2 BUS)※3という呼び方を用いているでつ。

再生可能エネルギーから得た電力で水素を製造、利用するシステム(Power to Gas)の一形態でもある本システムの実証運転を通して、東日本大震災の教訓の一つ。
「外部からの燃料調達に依存しない大容量非常用電源」技術の確立を行い、災害時に停電が発生しても安定した継続運転が可能な新たな浄水場の実現を目指すでつ。

茂庭浄水場においては、再生可能エネルギーとして太陽光発電を利用。

浄水場において、通常時の再生可能エネルギーの有効利用や非常時のエネルギーの長時間安定供給を実現するには、即応性、大容量性、耐久性、コンパクト性、
高効率性を兼ね備えたエネルギー貯蔵装置が不可欠でつが、これまでこの様な条件を満たす単体のエネルギー貯蔵装置はなかったでつ。

そこで「電力・水素エネルギー貯蔵システム」においては、大容量性やコンパクト性に優れている水素貯蔵システムと、即応性、耐久性、高効率性に優れている
電力貯蔵装置を組み合わせて、これを実現。

不安定な再生可能エネルギーの出力変動に対し、本システムにおいては二つの手法を用いて高精度な補償を行うでつ。

具体的には、本提案システムでは、再生可能エネルギー出力と目標出力(負荷消費電力)の差の時間変化分を未来予測技術により長周期成分と短周期成分に分離。
そして、それを基にして長周期成分については、エネルギーが余剰の場合、水電解装置を用いて水素を製造発生させ、逆にエネルギーが不足の場合には、燃料電池を
用いて発電することにより変動分の補償するでつ。

他方、短周期成分については、即応性に優れた電気二重層キャパシタを電力貯蔵システムとして用いることにより、高精度な補償を実現。
この様な補償方法とすることで、直流母線電圧を一定に保つことができ、安定した電力供給を可能。
その結果、浄水場の以下の様なニーズを満たすことが可能になるでつ。

水素エネルギーを用いることにより、非常時に必要となる3日分のエネルギーを省スペースで貯蔵。

非常時(停電時)でも太陽光発電から水素を生成することにより,外部からの燃料調達無しでも運転を継続。

通常時は、再生可能エネルギーの活用と水素貯蔵により、ろ過砂洗浄等の負荷平準化やピークカット/シフトを実現(ろ過砂洗浄作業:夜間から昼間へ)
非常時(停電時)でも、所内負荷に電力を安定して供給するでつ。

本事業で提案された「電力・水素エネルギー貯蔵システム」を用いて、通常時の再生可能エネルギーの有効利用や非常時の長時間エネルギー安定供給を実現するために、
実証システム(規模は実適用時の約1/50)を用いて、主に以下の項目を検証。

  ① 燃料電池や水電解装置の応答性、制御性、耐久性
  ② 高精度変動補償に適した太陽光発電出力の予測方法と最適な変動補償方法
  ③ 太陽光発電出力の変動補償に適した電力・水素貯蔵システムの入出力制御方法
  ④ 長時間連続運転に適した電力貯蔵システムと水素貯蔵システムの運転制御方法
⑤ 燃料電池と水電解装置の同時運転を可能とする水素貯蔵システムの運転制御方法
「電力・水素エネルギー貯蔵システム」の実証運転を予定通り、確実に実施。
さらに、今回の実証運転を通して得られる本事業の種々の結果を踏まえて、新たな浄水場向けのエネルギーシステムの早期実現に向け、実規模システムのコスト低減に有効なシステム構成機器の容量選定指針やシステム運転制御方法の確立を進めるでつ。

【用語解説】
  ※1 電気二重層キャパシタ
    電気二重層という物理現象を利用した、優れた充放電サイクル特性(寿命)や急速充放電特性を有する蓄電デバイス(コンデンサ)
  ※2 直流母線電圧
    電力・水素複合エネルギー貯蔵システムの基幹となる電線(直流)の電圧(DC BUS Voltage)
  ※3 水素母線(H2 BUS)
    電気系の直流母線(DC BUS)に対応する水素の基幹フロー配管
スマートコミュニティには、貯蔵技術が不可欠でつなぁ~

3万kW級の可搬型航空転用ガスタービン発電設備を受注PWPSが米国の石油・天然ガス掘削企業U.S. Well Services, LLC から

◆ 「FT8® MOBILEPAC®」を2018年中に納入開始へ

◆ 石油・天然ガス掘削用の高圧水力破砕設備向けで初採用

米国の石油・天然ガス掘削企業大手であるU.S. Well Services, LLC(USWS)と、航空転用型パッケージタイプの3万kW級ガスタービン発電設備「FT8® MOBILEPAC®」の包括購買契約を締結。

石油・天然ガス掘削用高圧水力破砕モーターの動力電源として採用されたもので、米国内の石油・天然ガス生産設備向けでの受注は、PWPSにとってこれが初めて。2018年中に納入を開始し、2019年3月末までに計8台の納入を予定。

USWSは、テキサス州ヒューストンに本社を構え、シェール層などの非在来型石油・天然ガス貯留層での高圧水力破砕掘削サービスを提供。

今回受注したFT8® MOBILEPAC®は移動可能なコンパクトモデルで、短時間での起動および迅速な輸送・設置が可能。

これらの利点を活かして、USWSが特許を取得している電動破砕設備に電力を供給。

「FT8® MOBILEPAC®は、設備の据え付けと撤去に必要な時間と人的資源を大幅に節約できることから、従来の高圧水力破砕プロセスに変革をもたらすでつ。同ガスタービン発電設備は破砕作業にとって理想的なテクノロジーといえます」

「今回のFT8® MOBILEPAC®の包括購買契約を通して、私たちの掘削能力や機動力などが向上し、顧客に大きなメリットをもたらすことができると考えています。私たちは、世界的に知名度の高い航空転用ガスタービンサプライヤーであるPWPSとの戦略的協力関係に、大きな期待を寄せています」。

PWPSは、本社を米国コネチカット州グラストンベリー(Glastonbury)に置き、米国の航空機エンジンメーカーであるプラット・アンド・ホイットニー(Pratt & Whitney:P&W)が供給するエンジンを転用したガスタービンのエンジニアリング・組み立て・販売・サービス、EPC(設計・調達・建設)などを手掛けるMHPSのグループ会社。

2013年にP&W傘下から三菱重工業株式会社の完全子会社となり、本年からMHPSの米国法人傘下に移管されたもの。

世界の50ヵ国・地域以上に2,000台を超える発電用・機械駆動用ガスタービンを供給した実績を有しており、高効率のハイエンド機を得意とするMHPSのガスタービン事業に、分散型電源としても優れたPWPSの航空転用ガスタービンが加わることで、MHPSグループのガスタービン事業は幅広いニーズに応える製品群をラインアップするに至っているでつ。

PWPSと緊密に連携し、定置用ガスタービンと航空転用ガスタービンの双方を手掛ける強みを活かしながら、環境の変化や再生エネルギーの増大にも柔軟に対応するソリューションプロバイダーとして、エネルギーの有効利用と環境負荷の低減に貢献するグローバル展開をさらに加速していくでつ。

まぁ~自社開発できない悲しいとこでつなぁ~

水素エネルギーチェーンの「つくる・はこぶ・ためる・つかう」という4つのフェーズの構想②

水素協議会は、世界初となる水素利用の具体的な調査報告書を公表。

2050年までにエネルギー消費量の5分の1を水素が担うようになり、CO2排出量を年間約60億トン削減。

この量は地球温暖化対策に必要なCO2削減量の約20%に相当し、温暖化をプラス2℃までに抑えることに貢献できると試算。

また2.5兆ドルに相当するビジネスと、3,000万人以上の雇用を生み出す可能性も示したでつ。

18年3月には新たに3M(米)、ボッシュ(独)など11社も協議会に加盟したでつ。

AIを活用した次世代火力運用サービスの協働開発に係る実証試験結果およびNEDO助成事業としての採択について

AIを活用した国内外の火力発電所向け運用高度化サービスを協働で開発することとし、基本合意書を締結。

また、2017年度中に、ボイラ燃焼調整の最適化等のシステム(以下、本システム)を構築し、2018年度中には、関西電力が保有する舞鶴発電所にて実証試験を実施するでつ。

関西電力とMHPSは、舞鶴発電所1号機にて本システムの実証試験を実施してたでつが、このたび、実証試験の条件下において燃料使用量等の削減により、年間1億円程度の運転費用削減効果が期待できるとの結果となったでつ。

これらは、発電所の運転データと機械学習等のAI技術を用いてコンピュータ上にデジタル・ツイン(注1)を構築し、燃焼用空気の噴射方法などの運転条件を変更した際の影響を検証し、その検証結果を実際の発電所に適用することで、舞鶴発電所の運用効率化に繋げるものでつ。

また、本年度は、発電所運用の中で想定される多様な運転状態の効率化制御に対し本システムの有用性を確認するとともに、実用化に向けた制御システム構築および実証試験を行う計画で、これが国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業として採択するでつ。

関西電力は、「K-VaCS®(ケイバックス)(注2)」として提供している火力発電に係るエンジニアリングサービスのコンテンツ拡充に向け、またMHPSは「MHPS-TOMONI® (注3)」による稼働率・経済性向上等に向け、今後も付加価値の高い新たな商品・サービスの開発に努めていくでつ。

それぞれの知見を活かし、最新のIoTやAI技術を駆使した火力発電所向け運用高度化サービスの開発を通じて事業拡大を図るとともに、社会インフラの高度化に貢献していくでつ。

 

  1. 実際の存在する機器を、そのままデジタル上に再現すること。
  2. Kansai-Value Creation Serviceの略で、火力発電所に係る新設プロジェクトの基本計画から運転開始後の設備運用保守管理に至る全てのステップにおいて、顧客の価値を創造する関西電力のソリューションサービスのこと。
  3. MHPSが提供する火力発電設備の運転最適化を支援するデジタルソリューションサービス

水素エネルギーチェーンの「つくる・はこぶ・ためる・つかう」という4つのフェーズの構想①

世界が水素の活用に本格的に動き出したと断言していいでつなぁ~

2017年1月、エネルギーや運輸、製造の世界的なリーディングカンパニー13社が、水素エネルギーの実現に向けた理念と長期目標を共有するグローバル・イニシアチブ「Hydrogen Council(水素協議会)」を発足。
参加企業は、川崎重工、トヨタ自動車、本田技研工業、岩谷産業をはじめとする日本メーカーの他、エア・リキード(仏)、アルストーム(仏)、アングロ・アメリカン(英)、BMWグループ(独)、ロイヤル・ダッチ・シェル(英蘭)などでつなぁ~

圧縮空気による電力貯蔵(CAES−G/T)

CAES−G/Tは、Compressed Air Energy Storage Gas Turbineの略語。

夜間の電力で圧縮機を回して圧縮空気を地下空洞などに貯蔵し、昼間にこれを取り出して燃料とともに燃焼させガスタービン発電を行うでつ。
このシステムでは貯蔵していた圧縮空気を使用するので、発電時ではタービン出力がすべて発電に使用されるでつ。

したがって、通常のガスタービンに比べて2倍以上の電気出力を得ることができるでつ.。
日本では地下貯槽の機密性確保の方式として、水封方式が経済面より有力視され、現場実験が行われているでつ。